なんとなく使っていませんか?展着剤の選び方とおすすめ使い方

害虫対策

農薬に混ぜて使う展着剤ですが、効果が上がりそうだからとか、高い展着剤だからきっと効くだろうと、なんとなく使っていませんか?

展着剤は上手に使えば農薬の効果を上げることもできますが、闇雲に使ってしまうと効果を下げたり、薬害を引き起こす可能性もあります。

今回は展着剤の種類ごとの効果とおすすめの使い方についてご紹介します。

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展着剤とは

展着剤の主成分は洗剤などに使われている”界面活性剤”です。

その効果は様々で、薬液の付着性や浸達性を高めたり、農薬の効果を安定させる働きがあります。

農薬にも殺虫剤や殺菌剤といった種類があり、さらには商品によって効果が異なるといったように、展着剤にも種類や商品によって効果が大きく異なります。

濡れ性を改善させる(スプレッダー)

ネギやキャベツといった水を弾きやすい作物は、農薬をそのまま散布しても弾いてしまい、薬液が付着しにくいです。

そのような場合、農薬の付着性を上げる、つまり作物の濡れ性を改善させるために使うのが、「スプレッダー」です。

作物の違いによる濡れ性の違い 石原バイオサイエンス「まくぴか」説明資料より引用

スプレッダーは、濡れにくい作物に農薬をより付着させることで農薬の効果や残効を向上させます。

一方、濡れやすい作物で使ってしまうと、薬液が薄く広がってしまい、付着する薬量はかえって減少してしまいます。

したがって、スプレッダーを使う場合は濡れにくい作物でのみ使うようにしましょう。

スプレッダーの商品の特徴としては、値段が安く、希釈倍率が高い(10,000倍)傾向があります。

スプレッダーの主な商品

  • ダイン
  • グラミンS
  • まくぴか
  • ブレイクスルー

固着性を向上させる(スチッカー)

一般的な展着剤(スプレッダー)は作物を濡れやすくしますが、この「スチッカー」は作物に農薬をより付着させることができます。

スチッカーを農薬に混ぜて散布することにより、農薬を作物に固着させ、耐雨性を高めて残効を延ばす効果があります。

特に、保護殺菌剤(いわゆる予防剤)と合わせて使用することで、高い効果が期待できます。

スチッカーの主な商品

  • アビオンーE
  • ペタンV
  • K.Kステッカー

機能性を付与する展着剤(アジュバント)

「スプレッダー」の機能に加えて、”しみ込ませる機能”を併せ持った展着剤が「アジュバント」です。

界面活性剤は一定以上の濃度になると、農薬をより細かい粒子にし、農薬に”しみ込ませる力”を与えます。

また、界面活性剤の一部は菌や害虫の細胞膜にすばやく吸着する性質があり、この作用によって薬剤の浸透性が向上します。

アジュバントはスプレッダーの機能も持ちつつ、農薬に新たな効果を付与するのでオススメの展着剤となります。

アジュバンドについては、各商品の特徴についてかんたんに説明します。

スカッシュ

スカッシュの特徴は、植物や昆虫などの動植物の表面に存在するクチクラワックスを軟化させることにより、なじみながら農薬を浸透させていく作用です。

特に効果が高いのは、殺虫剤や殺ダニ剤との組み合わせです。

スカッシュを加えることで害虫やダニの表面によく農薬が付着し、昆虫の体内に薬液を浸透させます。

アプローチBI

アプローチBIの特徴は、農薬の粒子を細かくすることにより、農薬をクチクラ層の割れ目や気孔から薬液を浸透させる作用です。

先述のスカッシュはクチクラ層を軟化させるのに対し、アプローチBIは農薬粒子を細かくさせることで、浸透力を高めます。

害虫が中に入ってしまった樹や、病気が発生した作物に使用することで、浸透効果をより発揮することが期待できます。

また、植物に薬液をよく浸透させるため、除草剤にも使用できます。

ドライバー

機能としてはスプレッダーと同じように、濡れ性を良くさせることですが、スプレッダーと異なる点は、濡れ部分が自然に拡大していくことです。

通常、界面活性剤は表面張力を低下させますが、ドライバーは界面張力(水と植物界面、虫体および菌体界面に働く力)も低下させます。

すると、濡れにくい表面でも自発的に濡れが広がるようになり、作物のすきまにも入り込んでいきます。

アジュバンドの主な商品

  • スカッシュ
  • アプローチBI
  • ドライバー
  • ニーズ

アジュバントの商品は効果が異なりますので、目的とする効果に合わせて選ぶようにしましょう。

適切に使用しないと、本来の効果を発揮できなくなってしまいます。下記の記事に、アジュバントの使い方について、事例を交えて解説しています。

注意点

展着剤は混用する農薬によっては薬害を引き起こす可能性があります。
各商品の使用上の注意をよく読んでから使用しましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

展着剤と一言でいっても、その昨日は様々であり、さらに商品によっても効果は異なります。

展着剤によっては、上手に使用することによって農薬の効果を高めることもできます。

一方で、展着剤が必要ないのに使っている場合もよく見受けられます。

今一度、展着剤を使う意味について考え、今回の記事を参考に適切な展着剤を選びましょう。

  • スプレッダー・・・濡れにくい作物に農薬をより付着させたい。(ダイン、グラミンSなど)
  • スチッカー・・・農薬を作物に固着させて、耐雨性や残効性を上げたい。(アビオンーE、ペタンVなど)
  • アジュバンド・・・農薬の機能性を向上させ、農薬の効果を上げたい。(スカッシュ、アプローチBIなど)

展着剤について、より詳しく学びたい方は「展着剤の基礎と応用 展着剤の上手な選び方と使い方」をご参照ください。非常に詳しくまとまっているのでおすすめです。(化学の知識があると、より深く理解できます。)

農業系の大学と大学院を卒業し、10年以上農業関連の仕事をしています。
これまでの経験や知識を活かして、皆様のお役に立つ情報をご提供していきます。
家庭菜園〜本格的な農業に関すること、自分自身の家庭菜園での副業についても記事にまとめています。
技術士(農業部門)の資格保有。

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