対象作物・害虫が多く、効果も高いネオニコチノイド系殺虫剤ですが、日本では7種類(成分)が販売されています。
それぞれの特徴についてまとめましたので、殺虫剤選びの参考にしてください。
ネオニコチノイド系農薬全般の特徴と効果的な使い方については、↓の記事を参照してください。
ネオニコチノイド系農薬の共通する特徴
- 浸透移行性が高い。
- 接触毒性(表皮から吸収される)、食毒性(消化器から吸収される)がある。
- カブリダニ(天敵)への影響は比較的小さい。
薬剤ごとの特徴
同じ系統の薬剤は、同じような効果を示しますが、その特性は薬剤ごとに微妙に異なります。
ネオニコチノイド系薬剤のそれぞれの主な特徴について紹介します。
アセタミプリド(モスピラン)
- 特に食毒性が高い。
- ミツバチへの影響が少ない。
リンク
クロチアニジン(ダントツ)
- 半翅目(ウンカ、アブラムシ、カメムシ、カイガラムシなど)に高い効果。
- 特に食毒性が高い。
- ニテンピラム(ベストガード)の後継剤。
リンク
ジノテフラン(スタークル、アルバリン)
- 特に食毒性が高い。
- 粒剤の残効は1ヶ月程度。
リンク
イミダクロプリド(アドマイヤー)
- チョウ目(イモムシやケムシなど)には効果がない。
リンク
ニテンピラム(ベストガード)
- 半翅目(アブラムシなど)に高い活性を示す。
- チョウ目(イモムシやケムシなど)には効果がない。
リンク
チアクロプリド(バリアード)
- ミツバチへの影響が少ない。
- チョウ目(イモムシやケムシなど)に高い活性を示す。
リンク
チアメトキサム(アクタラ)
(調べましたが、特徴は見つけられませんでした・・・)
リンク
表にまとめると以下のようになります。
成分名 | 商品名 | ミツバチへの影響 | 初回登録 | 毒性 | 特徴 | 参照URL |
アセタミプリド | モスピラン粒剤 モスピラン液剤 | 小 | 1995年11月 | 特に食毒性が高い。 | ー | https://onl.la/s6erviH |
クロチアニジン | ダントツ水溶剤 ダントツ粒剤 | 高 | 2002年4月 | 特に食毒性が高い。 | 半翅目(ウンカやアブラムシなど)に高活性。 ニテンピラムの後継剤。 | https://onl.la/XRgWURD https://onl.la/rsfQmqk |
ジノテフラン | アルバリン顆粒水溶剤 アルバリン粒剤 ※農協ではスタークルとして販売 | 高 | 2002年4月 | 特に食毒性が高い。 | 粒剤の残効1ヶ月程度 | http://jppa.or.jp/archive/pdf/57_02_22.pdf https://onl.la/Rqc9LJj |
イミダクロプリド | アドマイヤー1粒剤 アドマイヤーCR箱粒剤 | 高 | 1992年11月 | 接触、食毒 | チョウ目には効果がない。 | https://onl.la/rbVKADZ https://onl.la/C4TrjWr |
ニテンピラム | ベストガード水溶剤 ベストガード粒剤 | 高 | 1995年11月 | 接触、食毒 | 半翅目(ウンカやアブラムシなど)に高活性。 チョウ目には効果がない。 | http://jppa.or.jp/archive/pdf/70_07_51.pdf https://onl.la/bhcKweD |
チアクロプリド | バリアード | 小 | 2001年4月 | 接触、食毒 | チョウ目(イモムシ・ケムシ等)に優れた活性 | https://onl.la/ttTg4LR |
チアメトキサム | アクタラ顆粒水溶剤 アクタラ粒剤5 | 高 | 2001年8月 | 接触、食毒 | ー | https://onl.la/q679Ec5 |
↓画像にしたものです。
いかがでしたでしょうか。
現在、日本では7種類のネオニコチノイド系農薬が販売されていますが、剤によって特徴が異なります。
効果のある害虫や特性、登録内容も異なるため、ご自身の作物や防除方針に合わせて適切な農薬を選択し、効果的な薬剤防除を実施しましょう!
展着剤と組み合わせると更に効果的に
殺虫剤は展着剤と組み合わせ使うことで、更に高い効果を発揮することも可能です。ただし、目的に合わない展着剤を使用してしまうと、期待していた効果的が現れません。下記の記事では、展着剤の種類や商品を紹介していますので、展着剤選びの参考にしてください。
リンク
他の系統の薬剤については↓のリンクをご参照ください。
リンク
コメント