【家庭菜園で副業】2段垣根仕立てブドウの栽培【ジベレリン処理と袋掛け:6~7月編】

副業

我が家では”家庭菜園で副業!”を目指して、現在ブドウを栽培しています。

一般的にブドウは平棚で栽培するのですが、我が家の小さい庭(30坪)での栽培であることから、ウチでは垣根仕立てを採用しました。

さらに、欲深い僕は2倍の果実を採るために、主枝を上下2段に配置にさせようと企んでいます。

今回は、その2段垣根仕立ての6~7月の作業を行いましたので紹介します。

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ジベレリン処理

ブドウは基本的には自家和合性の植物なので、自分の花粉が受粉することで実が付きます。ただし、受粉した場合、種ができてしまうため、食べづらさの原因にもなってしまいます。

※種が入ると果実本来の味が出るため、あえて種ありブドウを栽培している方もいます。

最近のトレンドとしては、やはり”種なしブドウ”ですが、それを作るためにはジベレリンという植物ホルモンを処理をしてあげる必要があります。

このジベレリン処理のタイミングとしては、ブドウの花が満開になった時。うちでは3種類(巨峰、サニードルチェ、シャインマスカット)育てていて、それぞれ満開の時期が若干ずれるので、タイミングを併せて処理をしています。

写真

ジベレリンには色々な商品があり、うちではジベレリン協和粉末を使用しています。また、果粒の肥大促進や着粒を促すためにフルメット液剤も混ぜて処理しています。あと、結構ブドウの花は水を弾いてしまうので、展着剤も加えています。

ジベレリン処理は基本的に2回行います。1回目は満開時、2回目は1回目の10~14日後となります。1回目は先述のとおり種を抜くための処理、2回目は果粒を肥大させるための処理になります。種がないため、果粒を肥大させるホルモン(ジベレリン)がでないので、人為的にジベレリン処理をしてあげる、というわけですね。

1回目の処理内容
ジベレリン協和粉末・・・25ppm
フルメット液剤・・・2ppm
展着剤

2回目の処理内容
ジベレリン協和粉末・・・25ppm
フルメット液剤・・・5ppm
展着剤

各剤の配合は、これがベストというわけではありません。とくに2回目のフルメットについては、皮が固くなるという理由で使わない人もいます。今回は、2回目に5ppm処理したら、どれぐらい粒が大きくなるのか、皮が固くなるのかを確かめたいと思ったので、使用してみました。

どのような結果になるか楽しみですね。

ブドウの花が咲いた様子。各粒から伸びている細い線が雄しべ
カップにジベレリン液につけるように、ブドウの房をカップの中に入れます。

摘粒

ブドウはたくさんの花がさき、それぞれが果粒になり大きくなることで、普段僕たちがお店で見かけるブドウになります。

一般的にスーパーで売られているブドウは30~45個ほど果粒がついていますが、自然のブドウは1つの房で100以上の花(果粒)を咲かせます。では、なぜ売っているブドウにはそんな粒がついていないのでしょうか?

それは、生産者が手を加えることで粒の数や大きさをコントロールし、きれいな形に仕上げているからです。

先程のジベレリン処理を行って数日経つと、ジベレリン処理がうまくいったかどうかわかります。ジベレリン処理がうまくいき、着果したことがわかってからできるだけ早いタイミングで摘粒を行います。摘粒を早く行うことで、余計な養分の消費が抑制でき、残った果粒の肥大が促進されます。

摘粒の方法ですが、自分の場合は逆算で考えます。
まず、目標とすべき房の大きさを考えます。大きければ贈答用には向きますが、1房あたりの値段は高くなってしまい、買いづらくなってしまいます。僕の戦略としては、大きい房をつくるよりかは程よいサイズのものをたくさんつくろうと思っていますので、目指すべき房の大きさは500gとしています。

ブドウの果粒1つは大体13~18gですので、500gの房を作ろうと思うと、果粒の数は28〜38粒となります。残すべき粒数がわかったら、あとは大きくなった状態を想像して適度なすき間を開けて粒を配置します。

袋掛け

日本で栽培されている多くのブドウは、ほとんどが果房1つ1つに袋がかけられています。

その理由としては、袋をかけると外界の影響を受けにくくなるので見た目がきれいになるほか、病害虫から守ったり、直射日光を避けることで日焼けを防止する効果もあります。

袋をかけるタイミングとしては、諸説ありますが、僕の場合は2回目の摘粒が終わってすぐに行いました。

今年は梅雨明けが6月下旬と異常に早く、強烈な日差しによってブドウに日焼け症状がでてしまいました。(うちの場合は、垣根仕立てということもあり、日射をうけやすくなっています。)

このまま何もしないと最悪の場合、全滅の可能性もあったので早めに袋をかけることにしました。

使用したブドウ袋は「星野株式会社 ブドウ袋」です。

紙製で扱いやすく、入口部分に針金が付いているので、袋を閉じる際にピッタリと閉じることができます。

ピッタリと閉じることにより、雨滴が入るのを抑えられ、病気の抑制にも繋がります。

サイズの目安
500g程度の房・・・No19(200mm×295mm)
800g以上の房・・・No20(217mm×315mm)

ネット張り(ハクビシン対策)

ブドウ栽培も7月ごろになると、だんだんと果実に色が付いてきて、収穫が待ち遠しくなってきます。

しかし、同時に現れる敵がもう1つあります。

それが、ハクビシンです。

ハクビシンは、空き家の屋根裏などに住み着く野生動物で、雑食で何でも食べます。夜行性であり、日中我々が活動している間は出会うことはほとんどありません。

そんなハクビシンですが、ブドウがとてもお好きなようで、そろそろ収穫できそうなブドウを見つけると、皮を残してきれいに食べてしまいます。せっかく、手塩にかけて育てたブドウが収穫前に、無残に食べられるのを見つけてしまうと、とても悲しくなってしまいます・・・(泣)

そうならなにためにも、対策が必要です。電気柵を使ったり、オオカミのオシッコの匂いがついた布を周囲に置いたり、対策は色々とありますが、ぶどう園にハクビシンの侵入を防ぐことが最も効果が高いです。

僕の家では、ぶどう園をネットで四方と天井を覆ってしまい、ハクビシンが入る隙間を無くしました。裾部分は地面に埋設し、サイドと天井部分のつなぎ目は紙ひもで細かく縛ることで、全く入れないようにしました。

ぶどう部分全体をネットで覆っています。
裾部分をしっかりとめないと、入られてしまいます。
サイドと天井部分の結合部。こちらもしっかり隙間を埋めないと入られます。

ここまでしないと、ハクビシンの対策は十分では有りません。むしろ、ここまでやってもちょっと油断してしまうと、入られてしまいます。事実、最近入られてないから大丈夫と思い、ちょっと気が緩んで裾部分を止めるのを甘くしてしまうと、てきめんに入られ食べられてしまいます。

野生動物は生きるか死ぬかで餌を探しているので、我々人間とは必死さが違いますね。恐るべし生への執念。しかし、われわれもその執念に負けないよう頑張りましょう。

摘心・芽かき

前回のブドウの記事でも書きましたが、新葉が出続けるので摘心によって葉をその都度取り除く必要があります。こまめに観察して、葉が小さい内に取り除くようにしていますが、雨が降ったり、仕事の都合でなかなかできないときもあります・・・

摘心後の新梢先端

まとめ

ブドウ栽培の6〜7月は、ブドウ栽培のメインといってもいいでしょう。

ジベレリン処理と摘粒といった、ブドウの年間作業の大部分をこの時期に行います。ですので、この時期は特に丁寧に作業を行いました。

8月〜9月の収穫もそろそろとなります。ハクビシンやカナブンなどの獣害、害虫もまだまだ対策が必要となりますので、収穫するまで気を抜かないようにがんばります。

6月中旬の房の様子
7月下旬の房の様子。上の写真と同じ房。
ちゃんた

農業系の大学と大学院を卒業し、10年以上農業関連の仕事をしています。
これまでの経験や知識を活かして、皆様のお役に立つ情報をご提供していきます。
家庭菜園〜本格的な農業に関すること、自分自身の家庭菜園での副業についても記事にまとめています。
技術士(農業部門)の資格保有。

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