家庭菜園をしていると悩まされる病気や害虫。スプレー式の農薬は便利で手軽に使えますが、「それではちょっと量が足りないけど、大きいボトルの農薬は使い切れない・・・」といったお悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。
今回の記事では少量サイズで販売されている農薬について、その特徴についてまとめました。
殺菌剤
- 多くの作物で使用できる。
- 病気を治す効果のほか、予防する効果もあり。
- チューブリン重合阻害剤(FRACコード1)
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- 多くの作物で使用できる。
- 病気を治す効果のほか、予防する効果もあり。
- 上記の「トップジンM水和剤」と同じ系統(FRACコード1)なので、連続での使用や多用は耐性菌のもとになるので避ける。
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- 多くの作物で使用できる。
- 予防する効果が高い。
- 耐性菌が発生するリスクが低く、使用回数も多い。
- 作物によっては薬害がでる可能性があるので、注意事項をよく読む。
- 多作用点阻害剤(FRACコードM4)
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- 多くの作物で使用できる。
- 予防する効果が高い。
- 名前のとおり1,000倍に希釈して使用することが多い。
- 耐性菌が発生するリスクが低く、使用回数も多い。
- 粘性が高い液体なので、計量する際はスポイトがあると便利。
- 多作用点阻害剤(FRACコードM5)
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- きゅうり、トマト、なすなどで使用できる。
- ボルドー液(世界最古の農薬)の一種
- 他の化学農薬とは異なり、使用回数の制限がない。
- 農薬散布後は白く残るので、気になる方は使用を避ける。
- 多作用点阻害剤(FRACコードM1)
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- 食品や医薬品にも使用されている炭酸水素カリウムが主成分
- 有機JAS農法でも使用できる。
- トマトや花には使えるものの、使える作物は少ない。
- 分類不明(FRACコードNC)
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- 花や野菜に使える。
- 殺菌作用と殺虫効果を持ち合わせている。
- 多作用点阻害剤(FRACコードM10)
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目的 | 商品名 | 特徴 | FRACコード |
病気を治したい | トップジンM水和剤 | 病気を治す効果のほか、予防する効果もあり | 1 |
病気を治したい | GFベンレート水和剤 | 病気を治す効果のほか、予防する効果もあり トップジンM水和剤と同じ系統 | 1 |
病気を予防したい | オーソサイド水和剤80 | 予防効果が高い 作物よっては薬害注意 | M4 |
農薬希釈を簡易にしたい | STダコニール1000 | 予防効果が高い | M5 |
回数を気にせず使用したい | サンボルドー | 使用回数の制限がない | M1 |
有機栽培でも病気を予防したい | カリグリーン | 有機JAS農法でも使用できる | NC(不明) |
殺虫効果も欲しい | モレスタン水和剤 | 殺菌作用のほか、殺虫効果も持ち合わせている | M10 |
殺虫剤
- 多くの作物で使用できる。
- 様々な害虫に効果がある。
- スミチオン”水和剤”という商品もあり、使用できる作物も異なるため、購入の際は気をつける。
- 有機リン系(1B)
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- 多くの作物で使用できる。
- 様々な害虫に効果がある。
- 上記の「スミチオン乳剤」と同じ系統(FRACコード1B)なので、連続での使用や多用は抵抗性害虫のもとになるので避ける。
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- トマト、ナス、花等に使用できる。
- 登録害虫はアブラムシ類やヨトウムシが中心。
- 浸透移行性があるので、薬液がかからなかった部分にも効果がある。
- ネオニコチノイド系(IRACコード4A)
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- ”野菜類”や”果樹類”などの、大分類での登録があるため多くの作物で使用できる。
- BTという細菌を農薬化したものであり、ヨトウガなどのチョウ目害虫に効果がある。
- 天然由来成分の農薬であるため、有機JAS農法でも使用できる。
- BT剤(IRACコード11A)
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ダニ太郎
- 多くの作物に使用できる。
- ハダニ類およびサビダニ類の専用剤であるため、その他の害虫には効果がない。
- ハダニ類は年間での発生回数が多く、抵抗性が付きやすいため、”ダニ太郎”は作1回しか使用できない(イチゴのみ2回以内)
- 「マイトコーネ」と同じ成分(ビフェナゼート)。
- 電子伝達系阻害剤(IRACコード20D)
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- 多くの作物で使用できる。
- ハダニ類およびサビダニ類の専用剤であるため、その他の害虫には効果がない。
- 成長阻害剤(IRACコード10B)
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目的 | 商品名 | 特徴 | IRACコード |
色々な害虫を駆除したい | スミチオン乳剤 | 1本で多くの害虫を駆除できる。 ”水和剤”もあるので、購入の際は注意 | 1B |
色々な害虫を駆除したい | マラソン乳剤 | 1本で多くの害虫を駆除できる。 | 1B |
アブラムシを駆除したい | モスピラン液剤 | 浸透移行性があるので、薬液がかからなかった部分にも効果がある。 | 4A |
環境に優しい農薬を使いたい | STゼンターリ顆粒水和剤 | 自然由来の農薬なので、有機JAS農法でも使用できる。 | 11A |
ハダニを駆除したい | ダニ太郎 | ハダニおよびサビダニ専用 | 20D |
ハダニを駆除したい | バロックフロアブル | ハダニおよびサビダニ専用 | 10B |
【注意】家庭菜園でも農薬取締法を守る必要があります。
家庭菜園で自家用の野菜や果物といえども、農薬を作物に書ける場合は、農薬取締法を守る必要があります。
農薬には適用作物や使用時期、希釈倍数が定められており、商品の袋やボトルに表記されています。
それらを必ず守って、正しく農薬を使用しましょう。
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