家庭菜園や農作業を行う上で、病害虫対策に欠かせないのが農薬です。
でも、ホームセンターにいざ買いに行っても、いろんな商品があり、どれを選んだらいいのかわからない(泣)と思ったことは有りませんか?(名前も絵柄も似ていて、わかりづらいんですよね・・・)
商品の選び方によっては、目的に合わないこともあり、せっかく買ったのに無駄になってしまうこともあります。ですので、今回の記事ではホームセンターに売っている農薬の代表「ベニカ」シリーズの商品ごとの特徴について紹介します。
ベニカシリーズは商品数も多く、名前が似たような商品もあるため、購入の際は注意してください。
迷ったらコレ。最強の1本「ベニカXネクストスプレー」
この「ベニカXネクストスプレー」はなんと有効成分が5種類も入っています!他のベニカシリーズは1〜3種類なので、この商品だけ5種類も含まれています。殺虫・殺菌どちらにも使えます。
また、それぞれの成分についても速効性のもの、浸透性のもの、効果が高いもの、物理的に効くものと、まさにすべての効果を1本に凝縮させた商品です。
例えて言うなら、キャビア、フォアグラ、トリュフ、神戸牛、伊勢海老などなどを1つのお皿に盛り付けたような、夢のような商品になっています!
私の目から見ても、これは効くだろうなあ〜と関心してしまいます。ですので、どれにしようか迷ったらまずはこの商品がいいのではないでしょうか。
デメリットとしては、他の商品と比べて値段が高く、1,000mで約1,500円と他の商品の1.5倍の値段です(Amazon価格)。また、果樹には使えませんのご注意ください。
使用できる作物
ばら、きく、ガーベラ、バーベナ、パンジー、花月、花き類・観葉植物、つつじ類、ひいらぎもくせい、まさき、さくら、樹木類
トマト、きゅうり、なす、メロン、キャベツ、はくさい、レタス、リーフレタス
効果と価格のバランスがとれた「ベニカXファインスプレー」
総合力で言えばこの「ベニカXファインスプレー」がおすすめです。有効成分は3種類ですが、殺虫・殺菌どちらにも使用できます。
花にも野菜にも使用でき、値段も1,000mlで約1,000円とベニカシリーズの中では普通の値段なので、普段使いに向いた商品です。
効果の面で見ても、殺虫には効果が高い2種類の成分が入っており、殺菌についてもネクストスプレーには劣りますが、十分効果が期待できる成分が含まれています。
使用できる野菜が少なめです(ミニトマト、トマト、ナス、キュウリのみ)。果樹には使用できません。同じ商品名でラベルが違うものもありますので注意してください。
「ベニカXファインエアゾール」という商品もありますが、こちらは野菜には使用できません。(似たような名前なのに、微妙に使い方が違うのでとにかくわかりづらい・・・)
使用できる作物
ばら、花月、花き類・観葉植物、つつじ類、ひいらぎもくせい、まさき、樹木類
ミニトマト、トマト、きゅうり、なす
果樹にも使うなら「ベニカベジフルVスプレー」
こちらの商品は成分が2種類のみですが、その分幅広く使用できるようになっています。野菜や花に加えて、果樹にも使えます。殺虫・殺菌どちらにも使用できます。
幅広く使用できるので、ちょっとした時に使用するには便利です。ただし、果樹で使用するには1,000mlではおそらく足りなくなると思いますので、本格的に散布する場合は粉剤や液剤を使用したほうがコスト面でお得になります。
「ベニカベジフルスプレー」という商品もあります。(商品名に”V”が入っていません。)
こちらの商品は殺虫効果のみですが、さらに多くの作物に使用できます。
使用できる作物
ミニトマト、トマト、きゅうり、なす、ピーマン、ねぎ、わけぎ、あさつき、かぼちゃ
かき、りんご、なし、もも、おうとう
きく、花き類・観葉植物
有機農業でも使える「パイベニカVスプレー」
「パイベニカVスプレー」は、少しでも安全な方法で虫を駆除したいという方にオススメの商品です。殺菌能力は無いため、害虫駆除のみです。
有効成分である「ピレトリン」は天然物質由来であり、シロバナムシヨケギクという花から抽出されます。
有機JAS制度(第3者機関が有機農業を認証する制度)においても、「ピレトリン」は使用できる農薬であり、環境に優しいと認められています。
使用できる作物
ミニトマト、トマト、きゅうり、なす、キャベツ、こまつな
花き類・観葉植物、樹木類
苗の時から効率的に害虫対策。「ベニカXガード粒剤」
こちらの商品は土にまいたり、苗を植え付け時に土に混ぜ込むことで効果を発揮する商品です。主に殺虫効果があり、殺菌効果も期待できます。
土に処理することで、根から成分を吸収し、全身に移行させます。すると、新しく展開した葉や、スプレーではかからない部分にも効かせることができます。
また、この商品は植物自身が持つ病害への抵抗性を向上させる作用があるため、土壌処理剤にも関わらず病気にも効果が期待できます。
苗を植え付ける時や病害虫が発生する前に使用してください。後から使用しても、十分な効果が得られませんので、予防的に使うようにしましょう。
使用できる作物
ミニトマト、トマト、きゅうり、なす、キャベツ、はくさい、ブロッコリー、だいこん、ばれいしょ、いちご、ピーマン、ねぎ
花き類・観葉植物、ばら、バーベナ、ガーベラ
追記:「花いとし」・「野菜うまし」との違い
ベニカシリーズと似たような商品に「花いとし」と「野菜うまし」という商品があります。
ベニカシリーズのメーカーは住友化学なのに対して、こちらの2商品はアース製薬となっています。
花いとし
名前のとおり花や観葉植物にしか農薬登録がありませんので、それらの植物でしか使用できません。
殺虫成分と殺菌成分が含まれている他、殺ダニ成分も入っているので、花や観葉植物で使用するには重宝しそうですね。
ベニカシリーズの類似品としては「ベニカXスプレー」が該当しますが、「花いとし」には殺ダニ成分も入っているので、1回の使用でより多くの害虫を退治できます。
値段も1,000mlで910円とお手頃です。
野菜うまし
「花いとし」の兄弟分の商品です。名前からすると野菜にしか使用できないと思いますが、果樹にも使用できます。しかも、なんと花にも使用できるのです!
「花いとし」との違いはというと、殺ダニ成分が入っていないことです。
つまり、ダニをあまり気にしないのであれば、「野菜うまし」でもいいかもしれませんね。
ベニカシリーズの類似品としては「ベニカXファインスプレー」でしょうか。ただし、「野菜うまし」の方が登録作物は多いので使い勝手は良いと思います。
値段も1,000mlで910円とお手頃です。
2024年の追加情報
【2024新商品】ベニカVフレッシュスプレー
これは2024年に新たに追加されたベニカシリーズの商品です。
有効成分として、「還元澱粉糖化合物」、「クロチアニジン」の2つの殺虫成分と、「マンデストロビン」の殺菌成分の3種類を含んでいます。
シリーズ内での位置づけとしては、「ベニカXネクストスプレー」と「ベニカXファインスプレー」の中間と言えます。
2つの殺虫成分はアブラムシやイモムシ類、ハダニなどに対して広範囲に効果を発揮し、強力な殺菌成分も含まれているため、全般的に使いやすく、効果的な印象を持つ商品です。
ベニカナチュラルスプレー
この商品は、3つの天然成分で構成されており、化学農薬を使いたくない方には最適です。
有効成分は「還元澱粉糖化合物」、「調合油」、「バチルスチューリンゲンシス菌の生芽胞及び産生結晶毒素」で、これらは主に害虫を対象としています。
「還元澱粉糖化合物」、「調合油」は、ハダニやアブラムシなどを直接包み込み、窒息死させる作用があります。「バチルス」については、自然界に存在する菌を製剤化したもので、イモムシ類の体内で効果を発揮し、イモムシを死滅させます。
また、交換用も販売しているため、多少なりとも環境にも貢献できる商品となっています。
まとめ
ベニカシリーズは、多くの商品が販売されており、それぞれに特徴や使用できる作物が違います。ご自身の目的にあった商品を確実に選びましょう。
- 迷ったら「ベニカXネクストスプレー」
- バランス重視なら「ベニカXファインスプレー」
- 果樹にも使うなら「ベニカベジフルVスプレー」
- より安心して使いたいなら「パイベニカVスプレー」
- 効率的に害虫対策したいなら「ベニカXガード粒剤」
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