農業や家庭菜園において、アブラムシはよく見かける害虫の一つです。
最初は少数だったアブラムシも、気づいたら大量に群生していることがあります。
アブラムシは、寄生されると商品価値が低下するほか、農作物に損害を与えることがあります。たとえば、ウイルス病を媒介したり、樹勢を低下させたりすることがあります。
アブラムシを駆除するためには、適切なタイミングで駆除することが重要です。また、使用する薬剤を選択する際にも注意が必要です。これらのポイントを抑えることで、効果的かつ効率的にアブラムシを駆除することができます。
タイミングが大事
アブラムシを効果的に駆除するには、最初の第一世代である幹母(かんぼ)を駆除することが重要です。
アブラムシは、卵で越冬し、春になると孵化します。孵化した第一世代は幹母と呼ばれ、胎生により(交尾せずに)幼虫を産むことができます。
最初は少数であったアブラムシが、増殖し、気づいた頃には群生状態となることがありますが、これは幹母の増殖力が原因となっています。
つまり、幹母を駆除しておけば、初期の個体数を抑えることができ、その後の爆発的な増殖を予防することができます。
以上のように、アブラムシを駆除する際には、幹母を駆除することが非常に重要です。幹母を早期に駆除することで、農作物に与える被害を最小限に抑えることができます。
効果的な薬剤
アブラムシには多くの登録薬剤がありますが、ぼくがおすすめするのは以下の薬剤です。
ネオニコチノイド系薬剤のモスピランなど
この種の薬剤は高い防除効果と浸透移行性を持っています。
モスピランなどのネオニコチノイド系薬剤は、高い防除効果があり、多くの害虫に有効なため、使い勝手の良い薬剤です。
また、浸透移行性があるため、葉裏や巻葉の中に潜んでいるアブラムシも効果的に駆除できます。
粒剤の商品も販売されており、野菜苗の定植時に土壌に散布することで、根から吸収され全身に移行し、効果を発揮します。
モベントフロアブル
この薬剤は、新葉に寄生するアブラムシも効率的に駆除できます。
モベントフロアブルも、ネオニコチノイド系と同様に浸透移行性を有しており、導管や篩管を通じて植物体の成長点にも移行するため、アブラムシが寄生しやすい新葉部分においても効率的に駆除することができる優れた薬剤です。
ベニカXファインスプレー(家庭菜園向け)
この商品は、家庭菜園等でちょっと使いたいという方におすすめのスプレータイプの商品です。
有効成分にネオニコチノイド系薬剤(クロチアニジン)が含まれているため、高い防除効果が期待できます。ベニカXファインスプレー以外にも、同様の効果が期待できるクロチアニジンを含んだ商品があります。
ベニカシリーズの比較については、以下のリンクを参照してください。
アリを見かけたらアブラムシを疑え!
作物を育てていると、時々アリが植物の上にいることがあります。この場合、植物のどこかにアブラムシが大量に発生している可能性があります(カイガラムシの可能性もあります)。
アリはアブラムシが排出する「甘露」を餌としていますが、同時にアブラムシにとっては、天敵であるテントウムシをアリが追い払ってくれるため、お互いにとってwin-winの関係が築かれています。
(テントウムシを見かけた場合も、アブラムシが大量にいる可能性が高いです。)
まとめ
アブラムシを駆除する際には、幹母を駆除して初期の個体数を抑え、その後の増殖を予防することが重要です。
ネオニコチノイド系薬剤やモベントフロアブル、粒剤、家庭菜園向けのベニカXファインスプレーなどの薬剤が効果的ですが、正しい選択と使用方法に注意が必要です。
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