ブドウ2段垣根仕立ての雨除けの作り方

果樹栽培

ブドウを栽培では、雨除けを設置することで病害のリスクをかなり抑えることができます。

病気の発生を抑えられると、当然ですが収量も増えますし、農薬のコストや散布の手間といったコストも抑えられることが魅力的です。

今回の記事では、ぼくのブドウ園(2段垣根仕立て)の雨除け設置についてご紹介します。

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START

初期状態は以下の写真のとおりです。

草も結構生えていますし、ブドウの芽が伸び始めた段階です。

シャインマスカットの露地栽培で一番やっかいなのは「黒とう病」ですので、生育初期に雨除けにすることで黒とう病の発生を抑制させます。

STEP1:草刈り

まずは圃場をキレイに整えることから始めます。

雨除けを設置すると、作業性が若干下がるので、設置前にできることはやっておきます。

そのほか、垣根の誘引線の固定や芽かきなどの細かい作業は済ませておきます。

↓ぼくがいつも草刈りで使用している機械です。バッテリー式で使い勝手がよく、重宝しています。

STEP2:耕うん

雨除けのビニルを貼るためにイボ竹で骨組みを設置するのですが、地面が硬いとイボ竹が入っていかないので、予め耕うんして土を柔らかくして、挿しやすくしておきます。

垣根から30cm程度離れた部分を平行に、耕うん機をかけていきます。
イボ竹を挿しやすくするためだけなので、深くはやらず浅めにしておきます。

STEP3:骨組みの設置

STEP1と2は、前段階でここからがいよいよ本番です。と言っても、それほど難しい作業ではありません。

まずは、支柱となるイボ竹を垣根に沿って約1m間隔で垂直に設置します。次に、その支柱があるところに今度は別のイボ竹を妻切状に設置していきます。

↓設置した様子がこちら

支柱と妻切状のイボ竹は、ゴムスビーで留めておき、バラバラにならないようにしておきます。

そこに、トンネル状のイボ竹を密着させ、両裾を結束バンドで固定します。

↑骨組み設置後の様子

↑トンネル支柱設置後

↑トンネル支柱と切妻支柱は、結束バンドで留めています。

ビニル張り前に薬剤散布

骨組みができたらビニルを張るのですが、ビニルを張ってしまうと農薬散布も少し手間になってしまうので、ビニルを貼る前に薬剤散布を行っておくと良いです。

STEP4:ビニル張り

最後の仕上げにビニルを張っていきます。

去年、初めて雨除けを設置したときには0.02mmの薄い(安い)透明ビニルを使用したのですが、これだと強風が吹くといともかんたんに破れてしまいます。

それもあり、使用するビニルはちょっと高いのですが0.05mmのものを使用しています。昨年一年過ごした感じでは、強風でも破れることなく役割を全うしてくれました。

ビニルの張り方としては、側面も覆うように設置しています。こうすることで、横殴りの雨でもある程度防ぐことができ、より雨除け効果を実感できるようになります。

ちなみに、ビニルと支柱とはパッカーで留めています。

↑ビニルを張った後の様子 側面も覆っているので横殴りの雨も防げる。

↑天井部分はパッカーでビニルを重ねるようにして留めることで、できるだけ雨の侵入を防ぐ

↑ビニルの裾もヒラヒラしないようパッカーで留める

最後に

今回の記事では、2段垣根仕立ての雨除け設置についてご紹介しました。

説明は少し端折った感もありますが、それほど難しい作業ではありませんでした。

1人でやって最初の草刈りからビニル張りまで大体3時間程度ですので、休みの日の農作業としてはちょうどいいですね。

雨除けを行うだけで黒とう病もかなり抑えられ、高品質のシャインマスカットができるので、今から今年の収穫が待ち遠しい気分にさせてくれます。

記事を読んでいただきありがとうございました。ご意見等がございましたら、気軽にコメントいただけますと今後の励みになります。

ちゃんた

農業系の大学と大学院を卒業し、10年以上農業関連の仕事をしています。
これまでの経験や知識を活かして、皆様のお役に立つ情報をご提供していきます。
家庭菜園〜本格的な農業に関すること、自分自身の家庭菜園での副業についても記事にまとめています。
技術士(農業部門)の資格保有。

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