除草剤の価格と効果ー安いのでも大丈夫?ー

病害対策

こんにちは。ちゃんたです。

最近、僕のブログのアクセス数も少しずつ増えてきており、多くの方に読まれているようで大変感謝しています。時折、メールで質問も頂くことがあり、新しいコミュニケーションが取れることにブログの面白さを感じています。

今回は除草剤をテーマを記事を書いてみます。

最近、ホームセンターに行ったときに、除草剤の棚を見ていると、値段の幅広さに驚かされますよね。安いものから高いものまで、様々な価格帯の商品があります。

そこで気になるのが、価格と効果の関係です。果たして、高価な除草剤ほど効果的なのでしょうか?今回は、実際に試してみて、その結果をシェアしたいと思います。興味がある方はぜひ、読んでみてください!

スポンサーリンク

農耕地用と非農耕地用

まず、農耕地用の除草剤についてです。
農耕地用の除草剤は、農薬取締法という法律に従って厳しく管理されています。これは、私たちが安心して作物を食べられるようにするための重要な法律です。この法律に基づいて、除草剤を農耕地で使うためには「農薬登録」を行う必要があります。

農薬登録をするためには、雑草に対する効果や環境への影響についてのデータを提出する必要があります。これらのデータを集めるためには、多くの試験を実施しなければなりません。これが意外と大変で、試験には多くの費用がかかってしまいます。そのため、農耕地用の除草剤はどうしても商品価格が高くなりがちです。

一方で、非農耕地用の除草剤は農薬取締法の対象外となります。
つまり、農薬登録の必要がなく、試験にかかる費用も抑えることができるため、商品価格も比較的安くなるのです。非農耕地用の除草剤は、公園や道路の雑草を除去するために使われることが多いです。

それぞれの除草剤は、使う場所や目的に応じて異なる効果や成分が求められます。農耕地用は、私たちの食べ物に直接関わるため、安全性と効果が非常に重要です。一方、非農耕地用は、コストを抑えつつ効果的に雑草を管理することが求められます。

グリホサートを主成分とした除草剤

ところで、皆さんは「グリホサート」という成分をご存じですか?
代表的な除草剤成分であり、生えている雑草に直接かけることで枯らすことができる、使いやすく非常に効果が高い成分です。代表的な製品には「ラウンドアップ」があります。これは世界中で広く使われている有名なブランドです。

しかし、ラウンドアップだけでなく、安価なジェネリック品も多く市場に出回っています。例えば、「グリホエキス」や「グリホキング」などがその一例です。これらのジェネリック品は、同じグリホサートを主成分としながらも、価格が抑えられているため、手軽に購入できるのが魅力です。

除草剤の比較実験

今回、ホームセンターで買うことができる3種類の除草剤について、実際に使って比較した結果をご紹介します。今回比較したのは、以下の3つの製品です:

  1. ラウンドアップマックスロード
    農耕地用の除草剤で、多くの作物に使用できます。高い効果と持続性が魅力です。
    有効成分:グリホサートカリウム塩48.0%
  2. 除草剤はや効き(CAINZ)
    非農耕地用の除草剤で、グリホサートとMCPAの2種類の有効成分が含まれています。速効性があり、手軽に購入できるのが特徴です。
    有効成分:グリホサートイソプロピルアミン塩34.0%+MCPAイソプロピルアミン塩6.5%
  3. キャピタルグリホサート
    ジェネリック品でラウンドアップと同じグリホサートが有効成分です。価格はラウンドアップの半分で、コストパフォーマンスに優れています。
    有効成分:グリホサートイソプロピルアミン塩41%
左からラウンドアップ、はや効き、キャピタルグリホサート(ラベルがボロボロですいません泣)
散布前(ラウンドアップ)
散布前(はや効き)
散布前(キャピタルグリホサート)

実験方法

4月下旬、道路際に生えている雑草(イヌムギ、ナズナ、ギシギシ、スギナなど)にそれぞれの除草剤を散布しました。各除草剤は100倍に希釈し、100mlずつ散布しています。これにより、同じ条件で各除草剤の効果を比較することができます。

結果

散布後の変化を観察しました。以下がその結果です。

散布後2〜3日
いずれの除草剤も、雑草がなんとなく萎れてきました。特に目立った変化はないものの、全体的に元気がなくなっているように見えます。

散布2日後(ラウンドアップ)
散布2日後(キャピタルグリホサート)
散布2日後(キャピタルグリホサート)

散布後1週間
イヌムギは草の先端の方から茶色くなり、枯れ始めている様子が確認できました。一方で、除草剤がかからなかった草は依然として青々としています。この時点で、除草剤の効果がはっきりと見えてきました。

散布7日後(ラウンドアップ)
散布7日後(はや効き)
散布7日後(キャピタルグリホサート)

散布後2週間
イヌムギはほぼ完全に枯死しました。ギシギシも明らかに萎れており、枯死するのも時間の問題だと思われます。薬剤がよくかかった雑草には効果が顕著でしたが、薬剤がかからなかったものはまだ生き残っています。また、スギナはかかりにくかったことと、100倍では効きがわるかったことから生き残っています。

散布13日後(ラウンドアップ)
散布13日後(はや効き)
散布13日後(キャピタルグリホサート)

結論

今回の比較実験では、いずれの除草剤もかなり効いており、除草剤の効果の差は明確にはできませんでした。ただし、それぞれの除草剤には特徴があり、用途や価格を考慮して選ぶことが重要です。

  • キャピタルグリホサートは、ラウンドアップマックスロードに匹敵する効果を持ちながらも、ラウンドアップの半値ほどのコスパの良さなので、コストダウンを図りたい場合におすすめ。
  • 除草剤はや効き(CAINZ)は、速効性と手軽さを求める方にぴったり。非農耕地用なので農業用としては使えないが、価格が安いため道路際などにはオススメ。

ガーデニングや雑草対策において、自分のニーズに合った除草剤を選んで、快適な庭作りを楽しみましょう!

ちゃんた

農業系の大学と大学院を卒業し、10年以上農業関連の仕事をしています。
これまでの経験や知識を活かして、皆様のお役に立つ情報をご提供していきます。
家庭菜園〜本格的な農業に関すること、自分自身の家庭菜園での副業についても記事にまとめています。
技術士(農業部門)の資格保有。

ちゃんたをフォローする
病害対策
ちゃんたをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました