【農業の始め方】農業を始める上で最低限準備するべきもの

農業政策

「農業を始めたいけど、何を準備していいのかわからない。」

このブログを見ているということは、そのような悩みをお持ちだと思います。

僕はこれまで仕事上、新しく農業を始めた方や行政の方々と接する機会が多くありました。また、農業に興味がある、農業を始めてみたいという方の話もよく聞きます。

ツイッター界隈でも、「農業を始めたいから役所に相談にいったけど冷たくあしらわれた」と嘆く方もチラホラ見かけます。

そのようなことにならないためにも、農業を始める上で最低限準備するべきものについて予め学んでおきましょう。

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お金

農業と言えど、新しく始めるのであれば新規事業です。新規事業には初期費用がどうしても必要になってきます。

農業はまだ手作業が多いものの、どうしても機械が必要な場面は出てきます。最近では農機具をレンタルしている自治体や会社もありますが、まだまだ少ないので自分で揃える必要があります。

主な機械装備としては、トラクター、動力噴霧機(農薬散布機)、刈払機などです。

  • トラクター(20馬力)・・・新品で約200万円
  • 動力噴霧器・・・約20万円(ノズル、タンクも合わせて)
  • 刈払機・・・約5万円

その他にも、ハウス栽培をするのであればハウスを建てなければいけませんし、出荷するにもダンボールやビニール袋などを準備しなければなりません。また、農業は種を撒いてから収穫するまで時間がかかるので、現金が入るまでの運転資金や生活資金も準備しておく必要があります。

新規就農者の場合、無利子かつ据置期間有りの融資※を受けることもできますが、信用力が無い状況では借りることは難しいです。

※青年等就農資金について

ですので、初期費用(機械代、ハウス代等)+1年間の生活費の現金を持った状態で農業を始めることをオススメします。

土地(農地)

農業では実際に作物を育てるための土地が必ず必要となります。しかし、この土地を探すのがなかなか難しいです。

農地は、宅地とは異なり不動産屋では扱っていません(転用目的の農地はありますが)。ですので、自分で探す必要があります。知り合いや親戚から借りることができればいいのですが、いない場合は自分でなんとかしなければなりません。

そこで、相談するべきところは、地域の市町村役場や農地中間管理機構となります。

市町村役場には「〇〇市農業委員会」という組織があります。
農業委員会は、地域の農地の耕作状況を調査したり、農地貸借の許可を出したりすることを主な業務としています。農地のアテが全くない場合は、まずはこの農業委員会に相談してみると、空いている農地を紹介してくれるかもしれません。(ただし、農業委員会がすべての空き農地情報を持っているわけではないので、条件の良い場所を紹介してくれるとは限りません。)

一方、農地中間管理機構は、農地の貸借を仲介する組織です。
農地中間管理機構は基本的には都道府県に1箇所設置されています。農地中間管理機構でも農地情報を持っているため、農業委員会と合わせて相談してみると、農地情報を提供してくれるかもしれません。

栽培技術

言うまでもありませんが、安定的に作物を育てるためには、最低限の栽培技術が必要となります。

農業とひとことで言っても、お米、トマト、ブドウ、菊などなど、多くの品目があり、それぞれに必要な技術が異なります。教科書を見ながら、見様見真似でもそこそこ収穫はできるとは思いますが、売り物レベルにまで仕上げるには知識や経験が必要となります。

農業の技術を学ぶ方法としては、①学校やスクールに通う、②農業法人で働く、③農家に研修に行くなどがあります。

①学校やスクールに通う

多くの県では「○○県立農業大学校」という農業を学ぶことができる大学校が設置されています。基本的には2年間、座学と実習を行い、科学的な知識と実践的な手法の2つの面から農業技術を学ぶことができます。また、民間の農業スクールもありますので、そのようなものを活用するのも1つの手法です。

②農業法人で働く

給料をもらいながら作業を覚えられるので、資金面で大きなメリットです。最近では農業分野でも求人が多くなっているため、農業法人への就職は環境が整いつつあります。

小さめの法人で社長との距離が近い場合は、農業への取組み方、農業経営の考え方などについて話を聞けることもあります。また、中には若手の独立を支援する法人もありますので、求人情報などを探してみるとよいでしょう。

③農家で研修

1人の農家の元で1〜2年じっくりと研修を受けることができます。栽培方法を学ぶ以外にも、農業の考え方や経営方法について学ぶことができ、研修先の農家の人脈により地域とのつながりも強くなります。こちらについても研修先の農家にもよると思いますが、生活費程度の給料はもらえることが多いです。ただし、研修農家も人ですので、相性が悪いと苦しい研修になってしまうかもしれません。

3つのうち、どれかはないと難しい

農業を始めるにあたって、お金・土地・技術のすべてが揃っていれば、スムーズに始めることができますし、失敗する可能性も低くなると思います。また、3つのうち1つでもあれば、多少苦労はすれど、可能性はあります。しかし、お金も土地も技術も無いとなると、全てを1から準備する必要があるため時間がかかってしまいます。また、何もない状況では、行政の方や地域の人から「本当に農業を始めて大丈夫なのか?」と思われてしまい、事がうまく進まない可能性もあります。

ですので、農業を始めようと思った時に、自分で何を準備をできるのかをよく把握することが重要です。お金も土地も技術も無い場合は、何らかの方法でこれらを準備し、それから実際に農業を始めることを検討しましょう。

自分が本当に農業に参入して大丈夫なのか?農業に向いているのか?と心配な方は、まずは家庭菜園レベルから始めてみましょう。各自治体では市民農園を低価格で貸し出しをしていますので、自分で作物を育てる経験をしてみるのもいいと思います。

また、首都圏近郊では家庭菜園のスクールもあります。講師に教わりながら学ぶことができるので、農業への造形がより深まることでしょう。

アグリガーデンスクール&アカデミー

農業系の大学と大学院を卒業し、10年以上農業関連の仕事をしています。
これまでの経験や知識を活かして、皆様のお役に立つ情報をご提供していきます。
家庭菜園〜本格的な農業に関すること、自分自身の家庭菜園での副業についても記事にまとめています。
技術士(農業部門)の資格保有。

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